HYGGE(ヒュッゲ)な暮らしとは?デンマーク流ライフスタイルからここちよさのヒントを探る

HYGGE(ヒュッゲ)という言葉を知っていますか?なんとなく聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。本日はHYGGE(ヒュッゲ)をテーマにここちよい暮らしのヒントを探ります。

 

”HYGGEヒュッゲとは?

HYGGE(ヒュッゲ)とはデンマークの言葉です。一言で訳すのは難しく「心地の良い空間やその時間」という意味です。気のおけない仲間や家族、時には一人でも、お気に入りの空間でほっこり心地よく過ごす時間、といったニュアンスで使われます。

 

デンマークで体験!ヒュッゲな暮らし

コペンハーゲン郊外に住む家具職人のお宅を視察した時のことです。

ご主人の作品が並ぶ居心地の良いインテリア空間でホームメイドのパンやマフィンに自宅で養蜂したはちみつをたっぷりつけていただきました。

窓から入るキラキラとした日差しの中、屈託ない話をしながら美味しいものを頬張る、これぞヒュッゲ。お天気が良いから幸せ、おやつがおいしいから幸せ、あなたがいるから幸せ…
何気ない日常を楽しむライフスタイルこそデンマーク流の幸せのカタチ、その様子がヒュッゲではないでしょうか。


 

デンマーク流のヒュッゲな暮らしを実現する3つのインテリアポイント

 

1.北欧の光と灯りの関係を知る

ここちのよい住空間を考える時、真っ先に家具やファブリック(カーテンやラグ等)を思い浮かべがちですが、実は照明ほどここちのよい空間演出に大事なものはありません。

 

北欧の夏はゆっくり時間をかけて日が沈みます。その黄昏時の夕日の美しさと調和を楽しむように一灯づつ部屋の灯りをつけていきます。”灯りがある場所に人は集まる”という考え方から、ダイニングテーブルの上、ソファーの周り、などスポット的に照明を使います。暗くなったら照明1つでパッと明るく部屋全体を照らす、日本のような灯りは好まれません。

北欧の住宅でLDKにある光源の数を数えたらキャンドルを含め10個以上ありました。多くの光源から放つ光の陰影が昼間と違った豊かな表情を見せてくれました。

例えば今ある照明器具にスタンドライトやテーブルライト、持ち運び式のLEDライトなどを2,3つ追加して灯りに厚みを出します。先ずは1点照明から多照明にチェンジして、灯りの重なりを日本の住空間でも楽しんではいかがでしょうか。

 

2.自然を積極的に取り入れる

都市部でも比較的自然が身近にある北欧では、自宅のインテリアにも自然をうまく取り入れます。窓際に観葉植物を置いて外の風景に馴染ませ、景色をインテリアの一部として楽しんだり、庭や散歩の途中で摘んできた野花や石を無造作に飾ったりと、ラフに楽しんでいる様子が伺えます。

観葉植物は大きな物を選ばなくてもディスプレイで工夫をします。天井から吊るしたり、台の上に置いて高さを出したりメリハリを付けると視覚的にリズムが生まれ部屋を印象付けるポイントになります。部屋にフォーカルポイントを設ければ、空間が立体的になり広く感じるメリットもあります。

また自然は植物だけではありません。

天然木、ラタン、リネン、コットン、石、貝…等々はナチュラルなインテリアにも調和しやすいです。人と環境に優しいサステイナブルを意識した自然素材にも着目してはいかがでしょうか。

 

3.モノに愛着が湧く工夫

北欧ではセカンドハンドショップがいたるところにあり、夏場はフリーマーケットが多く開催されリサイクルが盛んです。古いものには新しいものに出せない味わいがあると北欧の方は言います。

デンマークでは家具は一生ものと考えリペアしながら長く愛用します。

日本でアンティーク家具を扱う店主と話した時、北欧産の家具はリペアがしやすい仕様が多いとおっしゃっていました。



前の章で書いた、家具職人のお宅にも思い出を受けついだソファーがありました。

ご主人が子どものころ引っ越ししたタイミングで家にやってきたとのことで、かれこれ50年以上前のソファだそうです。このソファはご主人が両親と過ごした思い出に合わせ、代が変わっても家族のストーリーを繋いでいくのでしょう。こんなストーリー(背景)があるとより愛着が湧いてくるのではないでしょうか。

新しい商品を購入する時も、目に見えるデザインだけを見るのではなく、その商品がつくられた思いや背景を知ると、お気に入り度が増すかもしれませんね。

 

まとめ

最後の仕上げは、あなたの尺度で選んだここちのよい空間で思い思いに過ごすことです。
ヒュッゲはここちのよい暮らしを叶えるテクニックではありません。安心感と満足感で満たされた、あなたにとっての”幸せのカタチ”をヒュッゲから探ってみてはいかがでしょうか。