しあわせな国から見えてきた、わたしの幸福度の上げ方

世界幸福度ランキング上位を占める北欧諸国ですが、日本と比べてそれほどハッピーで完璧なのでしょうか?本日は北欧視察を重ねて筆者が気づき実践する「わたしのしあわせの感度の上げ方」を紹介します。

 

北欧はしあわせな国なのか?

世界幸福度ランキングが今年も世界幸福デーの3月20日に発表されました。

北欧5カ国はこのランキングのトップ10にすべて入っています。ちなみにフィンランドは2018年から6年連続で「世界一」をキープしています。

わざわざ幸せをランク付けする必要があるのか議論の余地はありそうですが、それでも世界幸福度ランキングの発表の度に、なぜ日本は毎年50位前後を浮遊しているのだろうと考えてしまいます。

北欧の友人にこのランキングのことを聞いても「それ何?へーそっか」と流され、日本人ほど注目されていないようです。

かつての私は、さぞ北欧はしあわせな国なんだろうなと思っていました。しかし北欧視察を重ねるうちに、これは社会保証制度が整っていることや、国内総生産(GDP)が高いだけでなく、彼らの自分を大切にする生き方も関係するのではないかと考えるようになりました。

 

World Happiness Report 2023(世界幸福度報告書https://worldhappiness.report/

本年度の日本の世界幸福度ランキングは47位でした。

 

 

北欧の考え方をヒントに!わたしのしあわせ感度の上げ方3つ

1:環境のせいにしない!ポジティブな北欧レジリエンス力

北欧の人たちのポジティブに変換するレジリエンス力の高さは目を見張るものがあります。

厳しい冬期間が長い北欧、冬場は日照時間も極端に短く日本育ちの私には過酷に感じるほどです。

しかしこの厳しい環境でも彼らはポジティブに捉えます。「薄曇りだからキャンドルがキレイ」「凍った湖で無料でアイススケートできる」「春が来た時のワクワクがたまらない」と、すらすら出てくるポジティブワードに最初はたじろいでいたけれど、今じゃこれ真似しちゃえとばかりに自分も取り入れています。

私は仕事柄、自宅は美しく整い、家事も得意だろうと思われがちですが、実は元来怠け者。友人を家に招待する時は準備が必要です。その時は、「あぁ友達がくるから隅々まで掃除ができて良かった」とポジティブ変換し気持ちを前向きに捉えます。

今でこそ、ポジティブな北欧のレジリエンス力でピンチもスルーできるようになりましたが、出産直後は自分の考え方からとても苦しく過ごしました。

思い通りにならないことを、「子が小さいから」「夫が手伝ってくれないから」「親のサポートがないから」と、周りのせいにして不満を募らせてばかり。しかしコントロールできるのは自分だけです。もしこの時ポジティブな北欧レジリエンス力で望んでいたら、もう少し余裕をもって子育てできていたかもしれません。

 

2:自分自身の幸せにフォーカスし、しあわせかと自分に問う

突然ですが、「あなたは今しあわせですか?しあわせを感じる時はどんな時ですか?」

この質問にすらすら答えられる日本人はどれくらいいるでしょう。

北欧視察の際に、必ずこの質問を現地の人に伺います。

北欧の人たちは躊躇なくこの質問に答えてくれます。「はい、しあわせです」と。

日本人のシャイな気質と忙しすぎる日常で立ち止まる余裕がないことにも原因があるかもしれません。

しかし北欧と言えど、共働き子育て世代の1日はあっという間です。そんな生活の中でも自分と対話する時間を確保すると言います。

例えばスウェーデン訪問時にお世話になったKさんは頭の中が混乱していると思うと、あえていつもと違った手段で出勤します。彼女はわざわざ時間がかかる船(水路)を選びゆったりとした気分で思考の整理に役立てているとのことでした。

私も忙しい時ほど1人時間を確保し自分と向き合うように心がけています。そして毎日ではないけれど、気づいた時に「今私はしあわせかな」と問うようにしています。しあわせじゃないと感じたら、どうなったらしあわせなのか考えすぐ問題解決に努めます。問題を先送りしないことが機嫌よくいられるコツです。

 

3:小さなところから自分を満たす

自分のしあわせにフォーカスするとおのずと自分の満たし方がわかってきます。

私はすばらしいキャリアやリッチな環境より、「等身大の暮らし」で自分を満たしたいことに気づきました。

他人から見たら本当に小さな小さなことです。

部屋の観葉植物の緑が生き生きして元気だ、嬉しい。

子どもが持ち帰った弁当箱が空っぽだった、嬉しい。

今日もゆっくりお茶ができた、やっぱり嬉しい。

どれも意識しないと日常に埋もれてしまうであろうできごとです。しかし自分と真剣に向き合い自分の幸せにフォーカスすると、しあわせの感度も上がっていきます。

北欧の人たちが教えてくれるしあわせも「家族が元気でしあわせ」「きょうも森に行けてしあわせ」「熱々のコーヒーが飲めてしあわせ」と何一つ特別な事ではありません。

自分の基準で「あっいいな」がいっぱいになればよいのではないでしょうか。

 

北欧でのできごと~ユートピアは存在しない~

12月のデンマークは石畳から身体の芯を貫くような寒さで、日が暮れたコペンハーゲンのメインストリートで耐えかね駆け込んだカフェでのできごとです。

私はメインストリート「ストロイエ」にあるデンマークを代表する陶磁器メーカー併設のカフェに入りました。

その時の店員との会話です。

「30分足らずで閉店だけれど、本当に入りますか?」

「ハイ、寒いので身体を温めたいです。」

コーヒーを飲んでいると閉店まで残り15分以上もあるのに、私の席以外の椅子をテーブルに上げ帰り支度をはじめました。ちらちらこちらを見る視線に私が気が付くと、店員は駆け寄り「お金だけ先に払って、レジを締めたいから」と言うじゃありませんか。

国を代表するブランドのカフェが観光客にも容赦なく北欧スタイルをつきつけるのです。

私はこの時「あぁ北欧ではみんなが少しづつ譲り合ってここちよい暮らしをおくっているのだな」と思いました。この北欧でのできごとから、寛容な社会に強く心を打たれました。

日本でも多様性をみとめもっと寛容な社会に変わっていけばここちよい暮らしに近づけるのではと思っています。

 

まとめ

日本がもっと生きやすく誰もが暮らしやすい社会へ変わることが望ましいですが、暮らしはのんびり待ってはいられません。自分とその周りからならば行動は起こせます。まずは自分のしあわせの感度を上げるところから一緒にはじめてみませんか。