6月の本『パラソルでパラシュート』
梅雨入りしましたね。
気づけばあちこちに紫陽花が咲いていて、こんなところにも、と思うような道ばたに咲く紫陽花に目が止まります。
雨の日の紫陽花は生き生きとしていて、梅雨も悪くないなと思います。
6月に紹介する本は、
雲間に浮かぶ赤い傘が印象的な表紙のこちらの本。
『パラソルでパラシュート』
著者 一穂ミチ
出版社 講談社
出版年 2021
舞台は大阪。
企業の受付で契約社員として働く美雨は、29歳の誕生日に、売れないお笑い芸人の亨と出会う。
この出会いが「できること、やりたいこと」がなく、ぼんやりと、未来の不安を感じながら日々を過ごしていた美雨の世界を変えてゆく。
美雨と享、享の相方の弓彦も関わり、恋とも友情ともつかない時を過ごしていたある日、ひとつの嵐がやって来る…
いちいち惹かれてしまう言葉が溢れていました。
大阪弁のツッコミも、享と弓彦のコントも、美雨と享の会話での印象的な比喩も。
不器用な3人が織り成す物語なので、"青空"ではないけれど、雨上がり、これから晴れていくような、そんな物語です。
梅雨の季節の1冊に、読んでみてください。
物語のその後が気になって、続編があったらなぁと思っていたら、書店でショートストーリーが描かれたフリーペーパーを発見!ここにも絶妙なかけあいの言葉が光っていました。
snowy