9月の本『すてきなタータンチェック』
ページを開いたとたん、懐かしさあふれる本に出会いました。
『すてきなタータンチェック』
たくさんのふしぎ傑作集
文 奥田実紀 / 絵 穂積和夫
出版社 福音館書店
出版年 2021
子どもの頃から好きなタータンチェック。とはいえ、調べようと思ったことはありませんでした。
それが、装丁からタータンチェックが満載の本を見つけて、こんな本があるなんて!と嬉しくなりました。
子ども向けに書かれた児童書なので、入門書に最適です。文字量と厚さだけを見ても、読みきれる安心感。どこか懐かしさの漂う絵は、かえっておしゃれな印象です。
海外ではタータンチェックのことを「タータン」と呼ぶそうなので、ここからタータンと書きます。
長く長く愛されているタータン。その歴史の長さは想像がつきますが、イメージしていたイギリスを代表する柄ではなく、スコットランドと強く結びついた衣装と柄でした。
模様や色合いに意味や思いが込められていることも初めて知りました。これを知ると何通りもあるタータンの模様ひとつひとつに物語が織り込まれているように感じます。
スコットランドでは、タータンの公的な登録制度があり、国が布地の柄を管理しているそうです。質の悪いタータンが世界中に広まるのを防ぐために。
本の中で描かれていた懐かしのチェック柄のアイテムが私の子ども時代のものと一致!察するところ、著者はきっと同世代。そして、私も憧れた「赤毛のアン」「プリンス・エドワード島」の話が登場し、親近感を覚えたことも、この本を気に入った要素のひとつかもしれません。
構えずに手に取れる専門書はありがたいです。タータンが似合う秋冬の季節に、ぜひ読んでみてください。
snowy